アメリカン・ビューティ
久々にアメリカン・ビューティを観た。前回観た時はアカデミー賞獲ってるしWEBでも評判良いし、かなり期待して観たら出てくる登場人物がほとんどあまりにも異常者ばかりで、「そりゃ、ないだろ」って違和感感じまくりだったけど、改めて観たらとても面白かった。
ケヴィン・スペイシー、前回は「なんでこんな映画でオスカーやねん」って思ったが(演技は確かに巧いと思ったが)、今回は「こりゃスゲーやっ!」って納得。場面場面での表情素晴らしいです。アネット・ベニングもテンション高すぎるけど巧い。
わたしゃホモは生理的に受け付けないんで、前回は冷静に観れなかったかも?すべて設定がわかって観たんで今回はじっくり見れたのかもね。
いや、この映画、やっぱり名作です。面白い!
なぜ、この映画が面白かったのか考えてみた。映画のスパイスとしては最初にレスターの1年後の死を宣言しておいて、娘と妻が殺意を抱き、いったい誰が?というふうに進むのだが、それがわかった上で観た方が面白かったのはなぜか?
アメリカの一般中家庭に隠された家庭崩壊の現実みたいなムヅカシイ話はこの際やめよう。筆者がハマッてしまったのは。ケヴィン・スペイシー演じるレスター・バーナムの演技。そう、ケヴィンは映画の中で偽りの自分を演じるレスターを演じているのだ!(ややこしい)
- 序盤の無気力なレスター
- 娘の良い父親を一生懸命演じようとするレスター
- 娘の親友に恋したエロおやぢなレスター
- 好条件の退職を“勝ち取って”有頂天のレスター
- 妻を挑発するレスター
- 妻の浮気でのニヒルなレスター
- そして、最期に我に還ったレスター
ケヴィンは、いろいろと「無理している」レスターを演じた後「最期のレスターが本当のレスターだよ」と観客にしっかり印象付けて演技を終えている。
同様に妻役のアネット・ベニングもずぅ〜と無理したキャロラインを演じて、ラストのうろたえて拳銃を隠した後、クローゼットに倒れこむシーンで本当のキャロラインを演じている。もし、本当に殺意があったならレスターの死を見て自分が手をくださなくて済んだことを喜んだだろう。人が見てないところでうろたえる演技はあり得ない。
その他にも無理していた登場人物が二人、まずはクリス・クーパー演じる隣人。彼だけは真実の自分を否定されてしまったわけだ。クリス・クーパーもオスカー助演男優賞を獲るだけのことはあった。そしてミーナ・スバーリもレスターに優しくされるまではつっぱりねーちゃんを演じていた。まぁ、ラストのバスルームで化粧を直すシーンだけは可愛く見えた(笑)
#ウェス・ベントリーは最初から裏表を演じているので除外ね。
というわけで、一度観て面白くなかった人も二度目は面白いかも?ただ、好き嫌いがはっきりする映画なことだけは確かだ。